体重減少

このような症状はございませんか?

体重減少以下のような症状がみられる場合、体重減少を伴う疾患または障害が起こっている可能性がありますので、一度当院までご相談ください。

  • 短い時間で、急に体重が減った
  • 急激に服がだぶついてきた、ベルトがゆるくなった
  • 食事量は以前と変わらないのに体重が減ってくる
  • ダイエットをしていないのに、痩せてきた
  • 慢性的に便秘、または下痢が続いている
  • 悪心(吐き気)や心窩部(みぞおち)の違和感がある
  • 食欲がない。食事をとるのが辛くなった

体重減少の原因

受診が必要な体重減少の目安は、運動や食事制限などの意図的な体重管理のための行動を伴わずに、半年で元の体重の5%、また1年で10%以上減少した場合、または、突然元の体重より20%以上減少した場合です。
体重70kgの人の場合、半年で3.5kg、または1年で7kg以上減少した、または突然14kg減少したようなケースが受診の目安となります。
体重減少は、食事の摂取量が減少した、エネルギー消費が増えた、栄養分が吸収されずに排泄されてしまうといった要因によって起こります。

ダイエットのための食事量減少

食事急激に食事全体の量を減らしたり、摂取するカロリー量を制限したりすることで、脂肪や筋肉が必要以上に落ちてしまい、体調面にも大きな影響を及ぼします。それにより心理的な障害も起こり拒食症や過食症を発症することもあります。
また、人は炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取して健康を保っていますので、ある栄養成分だけを摂取しないなど、余りに偏った食事を続けることで健康を維持できなくなってしまう可能性もあります。ダイエットによる障害は若い世代に多いのですが、同様な偏った食事による障害はあらゆる世代で起こりえることですので、バランス良い、規則正しい食事を心がけるようにしましょう。

精神的なストレス

強いストレスによって体のバランスが崩れ、思ったように睡眠が取れない、または眠りすぎてしまう、ずっと抑うつ感が続く、食事をすることすらおっくうになる、食欲がないなどの症状が起こることがあります。そのような状態で、食事をしっかり摂れず、体重減少が起こることがあります。
このような症状が続くようなら、心療内科や精神科などを受診してみることをお勧めします。

消化器系・内分泌系の疾患

意図的なダイエットや、食事制限、運動などで体重を減らすような行動を取っていないのに、体重がめっきり減ってしまったなどという場合は、消化器や内分泌系の疾患の可能性があります。
疾患が原因の場合は、発熱や身体の痛みなど体重減少以外の症状がないか注意する必要があります。

関連する疾患

など

糖尿病の可能性もあります

糖尿病は、膵臓で作られるインスリンという物質の分泌が低下する、分泌しなくなるという1型と、インスリンは普通に作られているのに体内でうまく働けないという2型に分類されます。
このうちほとんどは2型の糖尿病で生活習慣に関係しているといわれています。
糖尿病になると、血中のブドウ糖を細胞がうまく利用できなくなるため、かわりに筋肉や脂肪が栄養分として利用されるようになり、体重減少が起こることがあります。

便の様子が変なら吸収不良症候群の可能性があります

消化吸収の過程のどこかに障害が起こって、栄養の吸収がうまくいかなくなるのが吸収不良症候群で、体重減少の他に、下痢、脂肪便といった便通異常や貧血、口内炎、全身の浮腫(むくみ)などの症状が起こります。
小腸に何らかの疾患が起こっているケースが多いのですが、胃で消化不良をおこしていることや、膵臓、胆のうなどの働きが低下していることも考えられます。

胃がムカムカするなら慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍

心窩部(みぞおちあたり)の痛みに伴って、胃もたれ悪心(吐き気)などの症状がある場合、慢性胃炎胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが疑われます。これらの症状で食物の摂取量が減り、体重減少に繋がります。
胃潰瘍は食事中・食後に胃が痛む傾向が強く、十二指腸潰瘍は早朝や空腹時に痛む傾向があります。
慢性的な胃炎は主にピロリ菌感染が原因となっており、潰瘍はそれにストレスや過労、暴飲暴食や、抗炎症薬、ステロイド薬の副作用などが原因になることもあります。
ピロリ菌除菌によって、治療することができます。

若い世代で増えている「潰瘍性大腸炎」

大腸の粘膜に炎症によるびらんや潰瘍が起こる、原因不明の疾患です。治療法も確立していないため国の難病に指定されていま病勢の盛んな活動期(再燃期)と落ち着いている寛解期を繰り返します。
活動期には炎症が激しく下痢、腹痛、血便などとともに食欲が落ちて体重減少がみられます。

気づかない間に進行している「がん」かも?

消化器のがんは、初期にほとんど自覚症状がみられないという特徴があります。そのため気付かずに進行させてしまうと、食物の通過が阻害されたり、栄養が吸収されにくくなったりして体重減少が起こります。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

若い女性に多いとされている甲状腺の疾患です。疲労感、発汗過多、手指の振戦などの症状を起こし、代謝が亢進し体重減少がおこります。
この疾患では、眼球が突出するなどの症状がでることがあります。

受診の目安

発熱や倦怠感、痛みなどの症状がひどい場合や、下血・血便や吐血などの他の症状がみられる場合には、すぐに当院を受診してください。
半年で体重の5%または4~5kgの体重減少があり、他の症状を伴う場合、疾患の可能性が高いため、当院の消化器内科を受診してください。
胃がん大腸がんなどは初期症状がほとんどないため、特に気になる症状がなくとも、少なくとも年に1度は胃カメラ、2.3年に一度は大腸カメラを受けて、重大な疾患が隠れていないかチェックすることが大切です。

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