おなら

おならとは

おならおならとは腸内のガスが腸壁から吸収されず、肛門から排出されるもののことです。飲み込んだ空気が口から排出される場合はげっぷと言います。
おならの回数は人によって異なりますが、平均1020回程度と言われています。この数値はあくまで目安ですが、ご自分で普段よりおならが多くて困る、緊張するとお腹が張っておならがでそうで困る、いつもと違う臭いのおならが続くといった場合、消化器などに何らかの異常が起こっている可能性がありますので、当院の消化器内科までご相談ください。

おならの原因と対処法

おなら自体は生理現象として誰にでもあるものです。
しかし、いつもより量が多い、臭いが違うなどの場合、原因としては、食生活やストレスなどの心因的要因が関わっている可能性があります。

食生活

1.肉類中心の偏った食事

臭いおならはいわゆる「悪玉菌」といわれる細菌によってメタンガスの発生が原因です。牛、豚、鶏などの肉類は脂分やたんぱく質を多く含んでおり、たくさん食べると臭いが強くなりやすい傾向があります。

2.食物繊維が多いもの

豆類、イモ類、ごぼう、葉物など、食物繊維の多い食物は消化に時間がかかるため、腸内に長く留まることで、ガスが増加し、おならの回数が増えたり、臭いが強くなったりします。

3.発泡飲料

ビールや発泡酒、炭酸飲料などを多く摂ることで体内のガスが増えおならの回数が増えます。

ストレス

消化管をコントロールしていている自律神経のバランスが精神的・肉体的ストレスなどによって崩れてしまうと消化管の活動が低下したり異常に亢進したりして腸内のガスが発生しやすくなります。

対処法

おならは生理現象のため出るのがあたりまえです。また、おならとしてガスが放出できないと重篤な事態を迎えることもあります。しかし、異常に多かったり、臭いが強かったりするといったお悩みがある場合、食習慣や生活習慣に気をつけることで、ある程度改善できます。

1.規則正しい食生活と食事の際にはよくかんでゆっくり飲み込むことを心掛けましょう

しっかりと噛むことで、唾液がたくさん出ます。そのため、食事の時に余分な空気を飲み込む量を減らすことができます。

2.軽い運動をしたり、腸を温めたりしてガスを出しましょう

冷えたり、運動不足になったりすることで、腸の活動が低下します。そのため運動や入浴などで、おならを排出しやすくなり、お腹が張った感じを抑えることができます。

3.便秘をなくし、腸内環境を整えましょう

便秘は、腸内に食物の残滓が長くとどまっている状態です。そのため、発酵が進み、余分なガスが発生しやすくなります。食生活や運動などで便秘が治らない場合は、当院までご相談ください。

4.食生活を見直しましょう

腸内の悪玉菌(メタンガスを発生させるような腸内細菌)の活動が善玉菌に勝ってしまうと、おならの臭いが強くなります。乳酸菌や酪酸菌など、腸内の細菌叢を整える食物を積極的に摂取すること、脂質やたんぱく質だけに偏らないバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

考えられる疾患

呑気症

飲食の際に飲み込んだ空気はほとんどげっぷとして排出されます。残りは腸で作り出される各種ガスが加わって、おならとなって排出されます。飲み込む空気の量が異常に多いと、排出されないで腸まで残る空気が多くなり、げっぷやおならが増えることがあります。これが呑気症です。
早食いの人、緊張したときに歯を噛みしめて唾を飲み込む癖のある人などに多い疾患です。

慢性胃炎

慢性胃炎によって、胃の機能が低下して食物の胃内での滞留時間が増え、ガスなども発生しやすくなります。そのため、胃痛、胸焼け、げっぷなどともに、腸に送られるガスも増えておならが増えることがあります。
炎症が続くこと胃潰瘍や胃がんの発症リスクが高まりますので早期に治しておくことが大切です。

過敏性腸症候群

腹痛とともに下痢、便秘、膨満感やおならが増えるなどの症状があるのに、検査をしても器質的な疾患が診られないのが過敏性腸症候群です。
腸のぜん動運動などの運動機能や知覚機能が何らかの理由で障害されて起こっていると考えられており、その要因として、ストレスが大きく関係しています。

大腸がん

大腸がんは早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行して大きくなってくると腸が狭窄して便がその部分で滞るようになることがあります。その場合、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返すといった症状の他に、腹部膨満感が強く、また強い便秘症状を起こすことがあります。
腸内にたまったガスの排出も妨げられて弱い音のおならが続くような症状もあります。

大腸がんとおならの関係

おならの臭いの原因となる悪玉菌が増加すると、大腸がん発症のリスクが高くなります。
大腸がんは早期にはほとんど自覚症状が無く、便潜血検査などで陽性にならないこともあります。大腸はまがりくねっており、しわも多いため、腹部X線検査では見逃しの可能性も高くなります。血液検査でがんのマーカーを調べる方法もありますが、確定診断はできません。

大腸カメラ検査と大腸がん

大腸カメラ手元大腸カメラは大腸粘膜全体を直接観察でき、唯一早期の大腸がんを確実に発見できる検査です。また、前がん病変とされている大腸ポリープも小さなうちから発見でき、その塲で切除することで将来のがん化を予防することが可能です。さらに疑わしい病変を発見した場合、サンプルを採集して病理検査を行い確定診断に導くことも可能です。
大腸カメラはたった一日で、検査、診断、処置や治療だけに留まらず、予防までを行うことが可能な大変有用な検査です。
大腸がんが発症するピークは50歳を超えたころですが、前がん病変である大腸ポリープは40歳ごろから多発すると言われています。そのため40歳を過ぎたら、定期的に大腸カメラを受けることをお勧めします。

当院の大腸カメラ

大腸カメラ当院では、日本消化器内視鏡学会認定内視鏡専門医の資格を持つ医師が常に最新の医療機器を使い、安心安全で丁寧な検査を行っております。開業以来多数の大腸がんを見つけております。ご希望があれば鎮静剤を使い眠ったような状態で検査を受けることもできます。
当院の医師は軸保持短縮法という大腸を引き延ばさずに真っ直ぐに入れていくファイバー挿入法を完璧にマスターしており、直腸から回盲部までの到達時間は平均2.3分です。復路は通常の白色光観察に加えて、TXI画像、NBI画像、内視鏡専用染色液散布なども行いながら時間をかけて丁寧に観察を行い、微小な病変も見逃さない精度の高い検査をおこなっております。
このため大腸ファイバー挿入時の痛みがなく正確な検査を受けていただけますので安心して当院までご相談にいらしてください。「うわさより楽だった。大腸カメラは思っていたよりつらくない。」とおっしゃっていただき定期的に検査を受けられている患者様や当院で検査をうけた患者様のご紹介で来院してくださる患者様多数いらっしゃいます。
当院で大腸がんを発見し治療後も定期的に検査を受けに来られ、お元気なお姿を拝見することができるのは内視鏡医にとってこの上ない大きな喜びです。
一人でも多くの大腸がん死を減らすために、日々の内視鏡検査を誠実に丁寧に安全におこなっております。現在死亡率トップの大腸がんを早期発見、早期治療をするために是非大腸カメラを受けに来てください。
特に日本人女性の大腸がん死亡率が高くなっておりますので、かけがえのないご家族のためにも症状が何もなくても一度大腸カメラをお受けいただく事をお勧めします。

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