吐き気は日常的な原因によるものと、疾患に由来するものに分けることができます。
日常的なものでは、食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、乗り物酔い、ストレス、薬剤の副作用によるもの、悪阻（つわり）、一過性の食中毒などが挙げられます。
疾患に由来するものでは、消化器系の疾患に加えて脳や神経系の疾患や障害によるものが原因となっている可能性もあります。
消化器系の疾患としては、逆流性食道炎、急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、虫垂炎、腹膜炎、胃がん、腸閉塞といった消化管の疾患と急性膵炎、慢性膵炎、急性肝炎、胆石症、胆のう炎などが考えられます。
また、脳や神経の疾患としては、自律神経失調症、三半規管などの疾患やメニエール病、突発性難聴、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳腫瘍などの他、眼科疾患である急性緑内障発作も急激な眼圧の上昇による神経への刺激によって吐き気や嘔吐があらわれることがあります。

すぐに症状が治まる場合は様子をみても問題ありません。長く続く場合は様々な疾患が疑われます。中には緊急に治療が必要なものもありますので、早急に当院を受診してください。
まずは問診で、いつからどのような症状が起こっているか、直前の食事内容や行動、服用されている薬、既往症などについて詳細にお訊きします。事前にweb問診を入力していただくとスムーズです。また、消化器の疾患と脳・神経系や心臓などの疾患を切り分けるために、頭痛の有無、胸痛の有無、腹痛の有無などについてもお訊きします。その後、腹部の触診なども行います。
その上で必要となった場合は、検査を行います。感染の有無や炎症の有無などを調べる血液検査、消化管以外の消化器を調べる腹部超音波検査、上部消化管の粘膜の状態を調べる胃カメラなどを行います。