活動期には、食事が病状や全身の状態に大きな影響を与えるため、医師や栄養士などの指導に従い、食事に注意することが特に重要になります。活動期では、腸管からの栄養の吸収が下がり、体力を消耗しがちです。また、下痢で水分や電解質も失いやすいことから、おかゆや麺類などエネルギー、水分、塩分を補給できる食事が勧められます。たんぱく質としては、卵、大豆食品、魚類が勧められます。反対に、腸に負担をかけ、下痢や腹痛を悪化させる高脂肪食や食物線維、刺激の強い香辛料、アルコール類、炭酸飲料を控えなくてはなりません。
| 消化しやすい食品 |
腸に負担がかかる食品 |
・おかゆ、麺類
・卵、大豆食品、魚類 |
・高脂肪食(ロース肉、バラ肉、揚げ物など)
・食物繊維(線維の多い野菜、豆類、きのこ類、海藻類など)
・香辛料
・アルコール類、炭酸飲料 |
女性の場合、潰瘍性大腸炎だからといって不妊率が上がるということはありません。ただし、活動期に妊娠した場合に流産や早産などの危険性が若干高くなるという報告があります。また、まれにですが活動期の妊娠により潰瘍性大腸炎の症状が悪くなることもあります。妊娠を希望する場合には寛解期に妊娠されることが望ましいでしょう。
妊娠中、医師が薬を必要とした場合に服用可能な薬としては、メサラジンやプレドゾロン、インフリキシマブなどが挙げられます。逆にアザチオプリンなどの免疫調節剤は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠を希望する場合には主治医の先生によく相談しましょう。
男性の場合も、服用薬によっては注意が必要です。サラゾスルファピリジンは、精子の数や運動機能を低下させるため、男性不妊の原因になります。しかし、この影響は服用を中止すれば2ヶ月程度で戻ります。
いずれにしても、女性も男性も、主治医の先生に赤ちゃんを希望していることを伝え、潰瘍性大腸炎の管理や治療薬についてよく相談しましょう。
寛解期には特に運動を制限する必要はなく、、疲れすぎない程度に運動することは気分転換にもなります。ただ、水分を失いやすい病気ですので、こまめに水分補給を心掛けましょう。
活動期の場合は、あまり運動はお勧めしません。特にステロイド剤を長期にのんでいると骨折の危険があるため、運動は控えた方がよいでしょう。
アルコールは腸の粘膜を傷つけ、腸の内容物の悪いものを体内に入りやすくしてしまいます。アルコールで潰瘍性大腸炎が悪化するという研究結果もあることから、活動期にはお酒を控えた方がよいでしょう。寛解期においては、少量であればよいでしょう。
潰瘍性大腸炎に限っていえば、喫煙者に潰瘍性大腸炎患者が少ないことから、喫煙は潰瘍性大腸炎によい影響を与えるのではないかという研究結果があります。しかし、喫煙は肺がんなどのがんの危険性を高め、呼吸の機能や動脈硬化にも悪影響を及ぼしますので、潰瘍性大腸炎の患者さんだからといって、喫煙はお勧めできません。
風邪、多忙や残業による肉体的過労、睡眠不足などの身体的なストレス、生活環境の変化などの心理的なストレスは、潰瘍性大腸炎の再燃や悪化の引き金になることがあります。規則正しい生活を心掛けるとともに、悩み事のような心理的なストレスも溜め込まないよう、日頃から周囲に相談するなどしましょう。
以前は痛み止めや風邪薬に含まれる解熱鎮痛剤が潰瘍性大腸炎を悪化させると考えられていましたが、これまで行われてきた研究ではこれらの薬と病気の間に関連性は認められていません。したがって、一般的に2~3日間であれば問題はないでしょう。ですが、風邪は再燃の要因になることがありますので、風邪の流行期はマスクをしたり、帰宅後はうがい、手洗いをするなど予防につとめ、なるべく風邪薬のお世話にはならない方がよいでしょう。また、インフルエンザの予防接種については、ステロイド剤や免疫調節剤をのんでいなければ受けることができます。